小勝多摩火工爆発事故（おがつたまかこうばくはつじこ）は、東京都府中町で起きた火薬工場の爆発事故である。 1953年2月14日午前10時30分頃、東京都北多摩郡府中町貫井（現・府中市晴見）にある小勝多摩火工府中工場の火薬配合室で、作業中に爆発が発生、配合室がバラバラに吹き飛んだ。この爆発により、3000坪の敷地内にあった他の火薬倉庫にも引火し、大規模な爆発が発生。事務所、薬品倉庫、炊事場など火薬工場の敷地内にあった合計14棟の全てが吹き飛び、火災も発生した。 半径1km以内にある都営稔ヶ丘住宅、関東医療少年院、民家などで、窓ガラスが割れる、屋根や壁が崩れる、雨戸が落ちるなど被害は広範囲に及んだ。工場で作業していた24名のうち生存者は4名、一般市民1名が巻き添えで死亡し、犠牲者が21名に及んだ。特に、火薬配合室などにいた従業員8名の遺体が損傷が酷く、爆心から半径100mの範囲にバラバラに飛び散る惨状であった。 この工場で作っていたのは、大砲の射撃訓練に使う実弾の出ない直径2インチ高さ1.5～2インチの筒形の弾「擬砲弾」で、保安隊（自衛隊）の注文だったという。当時、この擬砲弾を受注したばかりで、近所の主婦らを新規作業員として募集し生産を始めたところで、擬砲弾や火薬の製造過程に不慣れなまま大勢が作業に当たったのが事故の原因ではないかと疑われた。しかし事故当時火薬配合室に居た全員が爆死したため、詳細は分かっていない。 加えて、この工場では、1956年12月29日・1958年7月30日にも爆発事故が発生したことから、通商産業省は「火薬類取締規則」を改正し、火薬工場に対する取締りを強める旨を発表した。 ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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