破天荒モンスター「凶暴さん」

第2話「熱々おでん」

夏だ。凶暴さんは夏が大嫌いだ。何故なら暑いからだ。おびただしい汗を流し「フヒューフヒュー」と荒い息を出し凶暴さんはイライラし始めた。「なんで夏はこんなに暑いんだ!誰かにその理由を聞くのが俺の使命らしい・・。」凶暴さんは全裸で街へと繰り出した。「頭のいい奴がいるとすれば教育委員会だ。そこに行こう。」教育委員会を目指す凶暴さんの前にお巡りさんが立ちはだかった。
「コラ!貴様何故スッポンポンだ!死刑にするぞ!」
「じゃかあしいわぁ!」凶暴さんが一喝するとお巡りさんはベレッタを乱射した。全ての弾丸が凶暴さんに当たり凶暴さんは全身から鮮血を吹き出した。
「ぐわぁ・・。貴様・・許さん!!」
凶暴さんの眼がギラつきあっという間にお巡りさんの首を素手で引きちぎった。すでにお巡りさんは鮮血を吹き出し死亡した。
「お前は俺を狙うより他の犯罪者を餌食にするべきだったな!!グハハハ!!」
凶暴さんはお巡りさんの生首にそう告げると生首を片手に教育委員会に向かった。
教育委員会では暇そうな職員達がパソコンで仕事をするフリをしてソリティアで遊んでいた。
「おい!夏は何故暑い!」教育委員会に凶暴さんが飛び込んで来た。
「はぁ?夏は暑いに決まってるだろ!馬鹿じゃねーの?」ソリティアで遊びながら職員は凶暴さんに減らず口を叩いた。
「だから暑い理由を聞いてるんだ!大体貴様の態度は何だ!ブチ殺されたいのか!?」
凶暴さんの凶暴な言動に職員は怒りを向けた。
「あんたねぇ!生首を持ちながら全裸で入って来て非常識だと思わないかな?夏は暑い!それだけだ!」
「もう貴様には聞かん!!死ね!!」
職員の頭を割った凶暴さん。周りの職員達は悲鳴を上げ、教育委員会はパニックに陥った。「一体何の騒ぎだい・・。」中から教育長が現れた。
「先生!!」
突然凶暴さんが教育長に向かって叫んだ。
「ん?あー凶暴くんじゃないか?元気でやってるかい?」
「はい!毎日オナニーしてます!」
「よろしい!それでこそ私の元教え子だ!」
凶暴さんと教育長が親しげに話しているのを見て周囲はキョトンとした。この教育長は「阿保馬鹿之進」と言い、今年で75歳になる。とっくに公務員を退職する年齢を過ぎているにも関わらず、今だに教育長の座に就いている。実は凶暴さんの小学校時代の恩師である。「いや〜久しぶりだね凶暴くん。ところで今日は何をしに来たのかね。」「夏が何故暑いか聞きたいんです。」
凶暴さんが珍しく敬語で話す。
「バカモン!!夏は暑いんだ!!くだらん事を聞くな!!」
一喝する教育長に凶暴さんは酷く怒りを覚えた。「あんたは先生だろ!!知らない事はないハズだ!!」
「じゃかあしいクソガキが!!先生だって知らない事はたくさんある!!下らん事に執着しとらんで家に帰ってオナニーでもせんか〜!!」
慕っていた恩師の言葉に凶暴さんはある事に気付いた。
「夏は暑いと言う事は先生の脳みそ暑さで壊れてしまったのか・・。そうだ・・・治そう!!」
凶暴さんは教育長の頭を思いっきり殴打し気絶させた。
「ウゲっ。」
教育長は悲鳴と共にその場に倒れた。
「待ってて下さいよ先生。今から治してあげますからな。」
教育長を引きづりながら凶暴さんは教育委員会を後にした。
果たして凶暴さんは教育長を治す事が出来るのだろうか・・?
(第3話へ続く)

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